3 自然とのふれあいの増進
都市化の進展と都市的な生活様式が全国に広がったことにより、大都市のみならず、地方都市でも人々が自然に接する機会は減りつつあり、やすらぎや潤いを得るため自然とのふれあいを求める国民のニーズはますます高まってきている。また、自然とじかにふれあう機会が減少することにより、自然に関する認識が偏ったものになることのないようにしていくことも重要である。
環境庁及び地方公共団体では、これまで、国立公園、国定公園におけるビジターセンターや自然研究路等の整備、都道府県立自然公園におけるふるさと自然公園国民休養地の整備、長距離自然歩道網の拡充など、自然に親しむための施設の整備、自然解説の充実等に努めてきた。また、自然公園大会や自然に親しむ野外活動の実施など「自然に親しむ運動」を積極的に推進している。
さらに、近年は各方面で自然とのふれあいやレクリエーションのための施策が進められているが、それらの推進に当たっては、自然の特性を損なうことなくふれあいを持続させることが基本である。その際、自然との密接なかかわりの中で維持されてきた農村や漁村などの地域に特有の文化・伝統にそれらを担ってきた人々を通してふれることも重要である。また、河川の改修や海岸における保全施設等に当たっても、身近な自然が確保されるよう配慮することが必要である。