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第8節 緑化推進運動への取組

(1) 緑化推進運動の展開
 総理府に設置されている緑化推進連絡会議においては、関係行政機関相互の緊密な連絡を図り、総合的かつ効率的な緑化施策を推進するとともに、「緑化推進運動の実施方針」(昭和58年4月同会議決定)及び「緑豊かな地域社会づくりに向けて」(60年1月同会議決定)に基づき、地方公共団体、特に地域住民に密着した市町村を主体とし、広く地域住民、民間団体等の参加・協力を得た、全国的な幅広い緑化運動の展開を図っているところであり、次のような緑化施策を実施し、緑化運動の一層の展開と定着化を図った。
(2) 「小鳥がさえずる森づくり運動」等の推進
 身近な場所に実のなる木等野鳥の好む樹木等を保全又は植栽し、野鳥の観察のための施設を整備することにより、野鳥の生息に適した環境の創出と野鳥に親しむ場の整備を図る「小鳥がさえずる森づくり」運動を推進し、特に優れた森づくりを実施した地方公共団体等の表彰を行った。
 また、民間資金による緑化を進めるため、(社)ゴルファーの緑化促進協力会の協力を得てゴルファーによる緑化協力運動を推進した。
(3) 花と緑を活かしたまちづくり等の推進
 地方都市を花と緑で潤すことによって、個性と魅力あるまちづくりを進める花と緑の都市モデル地区整備事業を、59年度より実施している。60年度においては、6都市で事業を継続するほか、新たに6都市で事業に着手した(事業費、1都市当たり4年間計1億4,000万円、60年度国費12都市計1億620万円)。
 地方都市整備パイロット事業の一環として、河川、湖沼周辺の修景緑化などを行う、水緑都市モデル地区整備事業を56年度より実施している(60年度国費9,500万円)。60年度においては、5都市において事業を実施した。
(4) 学校環境緑化促進事業の実施
 大気汚染地域及び市街地域の公立義務教育諸学校の校庭等に植樹芝張を行う学校環境緑化促進事業を、小中学校児童生徒の健康増進特別事業(60年度国費6億3,266万円)メニューの一つとして実施した。
(5) 国土緑化運動等の推進
 国土緑化思想の高揚及び啓もうを図るため、(社)国土緑化推進委員会が行う全国植樹祭、全国育樹祭、苗木と花の配布会等の開催、みどりの少年団の育成、ふれあいの森林整備対策等の緑化運動に助成したほか、都市住民を中心に森林浴等森林の多目的な利活用を促進し、都市活力の山村への導入を図る森林多目的利活用促進対策事業に、新たに助成した。
 また、緑の羽根募金の積極的展開を図り、地域の緑化に努めるとともに、森林浴の普及定着を図った。
 さらに、(財)日本緑化センターが行うモデル緑化パイロット事業、都市近郊緑化推進モデル事業、情報の収集と提供等に助成したほか、都道府県が行う都道府県緑化パイロット事業等に助成した。
(6) 工場緑化等の推進
 工場立地法に基づき工場緑化に努めるとともに、都府県を通じ工場緑化のコンサルティング、研修会の開催、啓蒙普及書の配布等の指導を実施したほか、緑化等により環境の向上に顕著な功績のあった工場に対し通商産業大臣表彰を行った。また、緑化等の設置を行う工場について日本開発銀行及び中小企業金融公庫から融資を行っている。
 また、森林資源の保護等に寄与する古紙の回収利用の促進を図るため、古紙を利用した製品にマークを表示し、これを一定点数集めた幼稚園、学校、自治会等に苗木等を送るグリーンマーク制度を(財)古紙再生促進センターを通じ実施している。
(7) 都市緑化の推進
 都市の緑化の推進については、「当面の都市緑化の推進方策」に基づき、国民の都市緑化意識を高揚し、国民が広く参加し得る緑化運動が全国的に展開されるよう、?春季における都市緑化推進運動期間(4〜6月)及び都市緑化月間(10月)における都市緑化に関する各種行事の実施、?神戸市における全国都市緑化フェアの開催、?緑の相談所の整備、?緑化協定の締結指導、?(財)都市緑化基金及び地方都市緑化基金の拡充、?都市公園における住民等の参加・協力による「まちの森づくり」「ふるさとの森づくり」の推進及び「さくらの園」の整備の推進等を実施した。

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