2 化学物質の環境調査の結果について
60年度に発表された59年度化学物質環境調査において調査対象とした物質は82物質であり、一般環境調査、精密環境調査等により環境中の濃度レベルを測定した。その調査結果は次のとおりである。
(1) 一般環境調査
一般環境調査は、環境残留性が高いと予想される化学物質として抽出され、前年度に分析法が開発された物質について、水質及び底質を対象に、1物質につき全国数地区で環境汚染の実態調査を行うものである。
59年度においては、73物質について一般環境調査を行ったところ、水質又は底質から15物質が検出された(第1-5-3表)。このうち5物質(ジメチルナフタレン類、2-イソプロピルナフタレン)については、その残留状況等から60年度更に詳しい調査(精密環境調査)を行う必要があると判断された。
(2) 精密環境調査
精密環境調査は、前年度の一般環境調査結果から、更に詳しい調査を行う必要があると判断された数物質について、水質、底質及び魚介類を対象に、全国40数地区で環境汚染の実態調査を行うものである。
昭和59年度においては、6物質について精密環境調査を行った結果、その残留状況等から特にトリブチルスズ化合物については、今後環境汚染状況の推移を注意深く監視していく必要があると判断された(第1-5-4表)。