世界人口の増大と人間活動の規模の拡大を背景とした大気中の二酸化炭素濃度の増加、熱帯林の減少等の地球的規模の環境問題については、47年6月に開催された国連人間環境会議(ストックホルム)の勧告に基づき、UNEPが中心となって取り組んでいる。
我が国においては、55年9月に環境庁長官より、学識経験者からなる地球的規模の環境問題に関する懇談会(座長大来佐武郎氏)が設けられた。同懇談会は、地球的規模の環境問題に関し、同年12月に「地球的規模の環境問題に対する取組みの基本的方向について」と題する報告書を環境庁長官に提出した。
同懇談会は、さらに57年4月「地球的規模の環境問題への国際的取組みについて−国連人間環境会議10周年に当たって−」と題する報告書を環境庁長官に提出した。
この報告書を踏まえて、57年5月日本政府は、環境庁長官を代表とする代表団を派遣の上、国連人間環境会議10周年を記念してナイロビで開催されたUNEP管理理事会特別会合において、地球的規模の環境問題についての国際的取組みの必要性を強調し、国連環境特別委員会の設立を提唱し、同年12月の第38回国連総会で特別委員会の設立決議が採択された。同委員会は、?21世紀に向けて持続的な開発が可能となるような長期的な環境保全の提案、?国際的環境協力、?人口、資源、環境、開発の相互関係を踏まえた国際的目標の提案等の地球環境を守るための幅広い検討を行うため活発な活動を続けている。