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第8節 

1 土地利用の適正化

 国土利用計画は公共の福祉を優先させ自然環境の保全を図りつつ、長期にわたって安定した均衡のある国土の利用を確保することを目的とし策定されるものであり、国土の利用に関する行政上の指針となるものである。
 昭和51年5月に閣議決定された国土利用計画(全国計画)を受けて、全都道府県において国土利用計画(都道府県計画)が策定されている。また、市町村における国土利用計画(市町村計画)の策定についても、都道府県を通じて指導を行うとともに、国土利用計画管理運営事業について、都道府県に助成を行い、国土利用計画体系の確立に努めてきた。
 なお、現行国土利用計画(全国計画)の目標年次である昭和60年が近づきつつあることなどから、全国計画改定作業を進めた。
 土地利用基本計画は、国土利用計画を基本とし、五地域の指定及び土地利用の調整等に関する事項を内容として都道府県知事が作成するものである。本計画は、「都市計画法」、「自然公園法」等の個別法に基づく諸計画に対する上位計画として行政部内の総合調整機能を果たすとともに、土地取引に関しては直接的に、開発行為については個別法を通じて間接的に規制の基準としての役割を果たすもので、これにより公害の防止、自然環境の保全、国土の保全等に配慮しつつ適性かつ合理的な土地利用が推進されることとなっている。
(1) 五地域の指定状況
 土地利用基本計画の五地域の指定状況(59年12月末現在)は、都市地域約929万ha(国土面積の24.9%)、農業地域約1,738万ha(同46.7%)、森林地域約2,562万ha(同68.8%)自然公園地域約531万ha(同14.3%)、自然保全地域約9万ha(同0.2%)となっており、五地域のいずれにも含まれないいわゆる白地地域は約26万ha(同0.7%)となっている。
(2) 土地利用の調整等に関する事項
 土地利用の調整等に関する事項としては、土地利用の原則、五地域の指定が重複する地域における土地利用に関する調整指導方針が記載されている。また、これに加えて、土地利用上配慮されるべき公的機関の開発保全整備計画が記載されており(昭和59年12月末現在計画数197件)、各種の土地利用計画や環境保全対策との関連等について検討が行われ、計画段階における土地利用調整、環境保全に十分配慮されたものとなっている。

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