4 「環境影響評価の実施について」の閣議決定の概要
本閣議決定は、国の関与する大規模な事業に係る環境影響評価の統一ルールとして「環境影響評価実施要綱」を定めており、国の行政機関がこの要綱に基づき事業者に対する指導通達等の行政措置をできるだけ速やかに講ずることにより環境影響評価が実施に移されるものである。
この場合、本閣議決定は行政運用によって実施されるものであるので、その手続等が円滑に実施されるよう、事業者及び地方公共団体の理解と協力を求めている。また、環境影響評価の円滑な実施を図るためには、国、地方を通じた手続等の整合性が必要であるため、地方公共団体に対し、環境影響評価について施策を講ずる場合においては、この要綱との整合性に配意するよう要請している。
さらに、要綱で別に定めることとされている事項等要綱に基づく手続に必要な共通的事項を定めるため、内閣に環境影響評価実施推進会議を設けている。次に、環境影響評価実施要綱の内容は、事業者のセルフコントロール及び行政への反映の手続等であり、その概要は次のとおりである。
? 対象事業は、国が実施し、又は許認可等若しくは国の補助金の交付等の免許等により国が関与する事業で、規模が大きく、環境に著しい影響を及ぼすおそれのあるものであり、具体的に11種類の事業を列挙している。また、環境影響評価は、対象事業を実施しようとする事業者が行う。
? 手続等については、事業者が、指針に従って事前に調査、予測及び評価を行って環境影響評価準備書を作成し、これを関係地域を管轄する都道府県知事及び市町村長に送付するとともに、公告、縦覧、説明会の開催等の周知の措置を行い、関係住民の意見、関係都道府県知事の意見を聴いて環境影響評価書を作成し、これを関係都道府県知事及び関係市町村長に送付するとともに公告、縦覧する。
? 対象事業の免許等を行う者は、免許等に際し、環境影響に配慮し、国の行政への反映を図る。
? 実施要綱に基づく手続等に必要な事項のうち、基本的事項及び共通的事項は、本閣議決定の日から3月以内に定められる(第3-1-1図)。
なお、共通的事項については59年11月21日、基本的事項については59年11月27日に定められたところである。