前のページ 次のページ

第4節 

6 環境美化運動

 国民各層の間で環境に対する関心が高まり、現在、富士山クリーン作戦や愛知県豊橋市で始まった530(ゴミゼロ)運動のほか、河川、海岸、湖沼の清掃、環境整備など住民自らが行うボランティア活動が多様な形で各地でみられるようになっている。
 これらの環境美化運動の結果、非衛生で景観を損なうごみを除去するということばかりでなく、空き缶等を拾い集め再資源化し、ごみの減量を図ることを通じて大量生産、大量消費型の生活様式そのものを見直す意識が醸成されることになる。また、自然公園などの動植物の生態に悪影響を与えることを防止することにもなるのである。
 環境庁及び厚生省では、このような各種の運動を全国的に普及させるため、58年4月「環境美化行動の日」の設定を呼びかけた。これは、環境週間の趣旨を踏まえ、国民がこぞって環境美化に取り組む日として、6月5日(世界環境デー)を中心とした適当な日を対象として、都道府県、市区町村等の運動の各実施主体が設定することとしたものである。この日を中心として、全国各地で創意工夫をこらした各種の環境美化運動が自主的にかつ積極的に実施された。
 58年度の「環境美化運動の日」は、36都道府県等で設定され、延べ2,307市町村で実施された。参加人員は約715万人、収集ゴミ重量は162,084t、植栽された苗木の量は126万本に上っている(第3-4-3図)。また、自然公園内においては、「自然公園クリーンデー」(8月第1日曜日)を設定し、都道府県等の協力の下に国民参加の美化清掃活動を実施している。

前のページ 次のページ