2 自然とのふれあいの増進
都市化の進展等により自然との接触の機会が減りつつある今日、自然とのふれあいに対する人々の欲求はますます高まってきており、たとえば、自然観察会の参加者は年間役40万人(環境庁調べ)に達している。
また、人々の野鳥についての関心も高く、野鳥観察をする人(バード・ウォッチャー)は約400万人(日本野鳥の会調べ)となっている。さらに、毎年夏季に自然公園を中心に行われている自然に親しむ運動に参加する人々も31万人に達している(57年度、環境庁調べ)。加えて、「国土の将来像に関する世論調査」(58年9月、総理府調べ)によれば、今後20年くらいの間の国民の価値観の変化に関し、「自然とのふれあい」を求める傾向が強まると思う人が、「生活の便利さ」を求める傾向が強まると思う人を上回っている(第3-4-1図)。このため、国では、これまで、国立・国定公園におけるビジター・センター、自然研究絽等の整備、長距離自然歩道網の拡充など、自然に親しむための施設の整備、自然解説の充実等に努めてきた。今後は、これらの施策を一層推進することに加え、身近な自然に親しむことができる拠点の整備、緑化推進運動の一環としての「小鳥がさえずる森づくり」運動等の推進を図っていくことが必要である。