3 条例等に基づく環境影響評価の実施状況
このように、個別法、国の行政指導及び地方公共団体の条例、要綱等による環境影響評価の制度化が進み、実績も積み重ねられつつある。
これらのうち、ここでは、環境影響評価に関する条例を制定している前記4団体が、それぞれの条例に基づき条例の施行後58年12月末までの間に行った環境影響評価の実施状況を紹介する。
まず、環境影響評価の実施件数は、北海道が34件(うち手続き中のもの1件)、東京都が9件(同6件)、神奈川県が9件(同4件)、川崎市が33件(同3件)で合計85件(同14件)となっている。このうち58年中の実施件数は、北海道が3件(同1件)、東京都が5件(同5件)、神奈川県が3件(同3件)、川崎市が7件(同3件)となっている。
次に、4団体の手続きを完了したもの71件のうち住民関与の手続きを含むもの49件についてその手続きの実施状況を見ると、まず説明会の開催状況は、対象地域の規模により1回〜8回と差があるが、2〜3回開催したものが31件と最も多い。また、公聴会を開催したものは16件となっている。説明会、公聴会とも混乱により開催できなかったり、中止になったりした事例はない。
住民の意見書提出状況は、100通を超えるものが6件、10通を超え100通以下のものが4件、10通以下のもの(提出がなかったものを含む。)が39件となっている。環境影響評価の手続きに要した期間については1年間を超えるものが8件、6月間を超え1年間以下のものが16件、6月間以下のものが25件となっている。また、条例の制定により、これを根拠とした訴訟が提起された例はない。
条例、要綱等を制定していない府県・政令指定都市においても制度化の検討が進められている。