前のページ 次のページ

第3節 

1 世界的な経済社会活動の拡大

 環境問題の国際的広がりの背景には、世界的な人口の増加、経済活動の規模の拡大とその地域的な偏在、国際的な相互依存関係の高まりがある。
 世界の人口は昭和50年の41億人から56年には45億人に達しており、75年には61億人程度に増加すると推計されている。
 経済活動も拡大しており、50年から56年の間に農業生産は1.13倍、鉱工業生産は1.25倍になっている。経済活動の拡大に伴い、資源やエネルギーの消費が伸びている。立木伐採量は、50年の28憶立方メートルから55年には31憶立方メートルとなり、一次エネルギーの消費量(石油換算)も50年から56年の間に、51億トンから58億トンに増加した。また、GNPからみた世界の生産は、その過半が地表の総面積の約16%を占める主要7ヶ国に集中しており、原油の埋蔵量の66%はOPEC諸国に集中している等経済活動や資源には地域的な偏在がみられる。
 国際的な相互依存関係の高まりを世界の貿易額にみると、50年から57年の間に2.1倍と大幅に拡大している。
 こうした状況を背景として、環境問題は次第に国際的に広がりをみせている。

前のページ 次のページ