前のページ 次のページ

第4節 

4 環境保全に配慮した経済協力等

 我が国は、木材などの資源の多くを開発途上国からの輸入に依存しており、世界の環境や資源の状況に密接に関連している。このため、地球環境の保全に配慮していくことは、我が国にとっても大きな意味を持つものである。例えば、熱帯林の減少に関しては、インドネシア、マレーシア、フィリピンでは、森林資源の自国内での利用度の向上等のため、丸太輸出の規制を強化している。
 我が国としても、今後とも、開発途上国等において開発輸入を行うとき、あるいは開発途上国等に対し経済協力を行うに際して、相手国の環境に十分配慮する必要がある。
 企業の対外投資行動の際の配慮については、経済団体連合会等経済5団体が「発展途上国に対する投資行動の指針」を採択しており、企業が海外投資をする際には、受入国との協調を図り、融和に努め受入国の環境の保全に十分努力することとしている。政府としても経済協力に当たって環境保全に今後とも十分配慮していく必要がある。
 環境保全に配慮した経済協力の例として、フィリピン、ルソン島のダム周辺の造林プロジェクトがある。同プロジェクトでは、政府ベースで相手国の技術者に造林技術を指導しつつ造林を進めており、環境の改善にも資するものとなっている。
 また、開発途上国における環境行政の担当者を対象として研修を行い、我が国の環境行政の経験を伝え、開発途上国における汚染防止技術の発展に努めているが、今後ともこれらの活動の拡充を図っていく必要がある。

前のページ 次のページ