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第1節 

1 環境と人間活動

 人間はこれまで環境に働きかけ、環境を利用しながら生存を続けてきた。環境を変化させる力が、生態系のバランスを乱さない範囲内であれば、人間は自然と調和した活動を続けることができる。
 公害の発生や自然の過度の改変は、人間活動が生態系のバランスを乱さない範囲を超えていることを示している。
 経済社会活動と汚染物質の排出とは密接不可分な関係にある。第2-1-1図はその関係を単純化して示したものである。環境から採取されたエネルギーや物質は、最終的には汚染の可能性を持つ廃物として環境へ還元される。この過程で化石燃料などの非更新資源は費消されていく。
 また、エネルギーは形を変えるだけで消滅することはないが、使用の過程で、拡散し、劣化する。つまり利用可能なエネルギーから利用不可能なエネルギーに変わっていく。
 このように経済社会活動と環境とは深い関係を持っており、今後の環境政策の推進に当たっては、両者の関係を十分に踏まえ、環境を適正に管理していくことが重要である。

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