4 廃棄物事犯の取締り
56年の「廃棄物処理法」違反4,702件の態様別検挙状況は、第7-2-5表のとおりで、廃棄物の不法投棄事犯が3,532件(75.1%)と、同法違反の大部分を占めている。他方、不法投棄事犯等を誘発する排出源事業者の刑事責任の追及を徹底し、排出源事業者が廃棄物の運搬、処分を処理業者に委託するに当たっての基準違反677件を検挙した。
不法処分(不法投棄のほか無許可の埋立て等を含む。)された産業廃棄物の総量は約46万9,100トンである。その種別をみると、第7-2-6表のとおりで建設廃材と汚泥がほとんどを占めており、また、不法処分の量を場所別にみると、第7-2-7表のとおりで、水田、畑や埋立地、宅造地等に不法処分する事犯が目立っている。
廃棄物の不法処分地のうち、同一場所でおおむね10トン以上の処分が行われた場所322ヶ所について検挙後の原状回復状況をみると、第7-2-8表のとおりで、原状回復を要する251か所のうち約84.5%近くで何らかの回復措置が講じられている。なお、そのうち約79.7%は警察の指導によるものである。
次に産業廃棄物不法投棄事犯の業者別、原因動機別内訳は、第7-2-9表のとおりである。
産業廃棄物の不法投棄事犯の約91%強は、公害防止について平素強い自覚を持つべき排出源事業者によって行われており、また、その原因動機は、「処理経費節減」のためが過半数を占めるなど、一部排出源事業者の公害防止意識の低さがうかがわれた。