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第2節 

3 農業被害

 農業用水の汚濁による農業被害の現状は、54年度に実施した調査によると、第3-2-1表に示すとおり、全国で被害地区数約970地区、被害面積約102千haとなっている。
 地域別にみると、東海地域が約25千haで最も大きく、全被害面積の25%を占め、次いで東北地域が約18千haで、全被害面積の18%となっている。
 汚濁源の類型別にみると、都市汚水による被害が約69千haで最も大きく、全被害面積に67%を占め、ついで工場排水による被害が約19千haで全被害面積の19%となっている(第3-2-1図参照)。
 54年度の調査結果を50年度の調査結果と対比してみると、被害地区数は28%減、被害面積は35%減となっている。これを地域別に対比してみるといずれの地域も被害面積が減少しており、減少割合の大きい地域としては北陸地域53%(約9千ha)減、関東地域44%(約12千ha)減、北海道42%(約5千ha)減などとなっている。また、汚濁源の類型別に対比してみると、いずれの類型も被害面積が減少しており、鉱山、鉱温泉、自然汚濁及び工場排水によるものは40〜60%減、都市汚水によるものは26%(約24千ha)減となっている。これらの被害が減少した理由をみると、50年度の被害面積(約157千ha)のうち、この4か年間に農地転用により農地ではなくなったもの、畑地への転換により被害地区でなくなったものなど約9千haを除き約58千haの面積が公共事業、汚濁原因者の措置等により被害を解消している(第3-2-2図参照)。一方、新たに被害が発生した面積は約12千haあり、その79%は都市汚水によるものである。

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