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第3節 二国間協力の推進

(1) 日米環境保護協力協定に基づく活動
? 日米合同企画調整委員会
 日米両国は、50年8月に署名された「環境の保護の分野における協力に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定」(日米環境保護協力協定)に基づき、毎年日米交互に合同企画調整委員会を開催することとしている。その第4回会合は54年11月に東京において開催された。この会合では、両国代表の最近の環境政策に関する基調報告に続いて、協定に基づく活動のレビュー、協定運用上の問題に関する議論が行われ、さらに個別的問題として有害物質に関する情報交換、石炭の開発及び利用の環境的側面についての意見交換が行われた。
 この結果、55年8月に有効期間が終了する日米環境保護協力協定をさらに5年間延長することにつき、日米間で基本的に合意ができたほか、協定に基づくプロジェクトとして、日本側より提案した食品化学プロジェクトの設置が原則的に合意された。また、後述の非エネルギー分野における日米間での研究開発協力の推進を目的として、54年9月に開催された日米科学技術研究開発協力会合において、米側より提案された環境関連のプロジェクトについて、同会合環境関連作業部会において合意された情報交換等を最も有効な方法で実施していくことが再確認された。
? 下部プロジェクトの活動
 日米環境保護協力協定に基づく専門分野の活動としては、現在13のプロジェクトが設置され、各専門分野ごとの情報交換、会議の開催、専門家の交流等が図られている。54年度における主要な活動としては、第4回有害物質の識別と規制プロジェクト会合(11月、東京にて開催)、第5回有害底質の処理処分に関する日米専門家会議(11月、ニューオリンズにて開催)、第5回光化学大気汚染プロジェクト会合、第5回大気汚染気象委員会及び光化学大気汚染・大気汚染気象合同委員会(以上3会合は55年2月東京にて開催)が挙げられるほか、各専門分野のプロジェクト毎に情報交換等の協力活動が行われた。
(2) 日独科学技術協力協定に基づく活動
 49年に締結された日独科学技術協力協定に基づいて、54年9月に、第5回日独科学技術合同委員会が東京で開催された。
 この委員会の下部機構である環境保護技術協力パネルは、54年11月に東京で開催され、?環境保護技術分野における両国の研究開発の一般的動向、?既存協力テーマに関する研究開発の現状と協力実施状況及び?新規協力テーマ及び協力課題の選択に関する意見及び情報の交換が行われ、新規の協力テーマとして、「環境試料バンク(EnvironmentalSpecimen Banking)」を追加する等、今後の活動の強化が合意された。
(3) その他
 天然資源の開発利用に関する日米会議(UJNR)の一環として保全・レクリエーション・公園専門部会がある。この部会は、更に、? 国立公園及びその他の自然公園、? 野生生物の保護、? 森林の計画及び管理、? 都市公園とその他の都市問題の4分科会を持っており、54年度には「森林の計画及び管理」分科会を除く3分科会が日本で開催され、米国から専門家が出席し、それぞれ技術的な個別問題を討義した。
 このほか、54年9月及び55年2月には日米科学技術研究開発協力の2回の会合がそれぞれ東京及びワシントンで開催され、環境関係のプロジェクトについても所要の検討が行われた。
 また、55年3月には、EC(欧州共同体)との環境問題に関する専門家会合(第2回)が東京において開催され、日・EC双方の環境の状況、環境影響評価、アメニティー、富栄養化対策等についての情報交換が行われた。

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