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第3節 

5 富栄養化対策の強化

 昭和54年度においては、水域の富栄養化対策の推進に資するため、富栄養化機構の解明を図るとともに、窒素、燐について発生源別流入量、底質からの溶出状況、プランクトンの発生状況等について調査する栄養塩類収支挙動調査を、有明海において実施し、燐について環境上望ましいレベル及び排水処理技術についての指導指針を策定するため、それぞれ検討会を設けて調査検討を行った。
 また、昭和54年7月13日には、瀬戸内海環境保全特別措置法に基づき、瀬戸内海の富栄養化による被害の防止のため、環境庁長官から削減の目標、目標年度等を示して、関係府県が燐及びその化合物に係る削減指導指針を定めるよう指示した。これにより、関係府県では、昭和59年度を目標年度とする指導指針を昭和54年度末に環境庁長官に報告した。
 赤潮対策として、昭和54年度においては、これまで実施してきた赤潮防止の予察技術の開発研究の成果を踏まえ、光化学的リモートセンサーによる調査を引きつづき実施するとともに、新たに海域の環境要因と赤潮発生との関係を発生赤潮プランクトンごとに明らかにするための赤潮発生機構総合解析調査を行った。また、湖沼におけるプランクトンの異常発生の原因、メカニズム、被害防止の方法等について総合的な調査検討を行うため淡水赤潮対策調査を実施した。

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