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第3節 

3 排水規制の強化

(1) 上乗せ排水基準の設定
 公共用水域の水質保全のため、「水質汚濁防止法」により特定事業場から公共用水域に排出される水については、全国一律の排水基準が設定されているが、この統一的な排水基準では環境基準を達成、維持することが困難な水域においては、都道府県が条例でより厳しい上乗せ基準を設定し得るものとされており、昭和50年度以来すべての都道府県において上乗せ排水基準が設定されている。
(2) 規制対象の拡大
 「水質汚濁防止法」は、旧「工場排水規制法」当時の規制対象150業種のほぼ4倍に当たる約560業種を規制対象としてきたが、昭和54年度においては病院(300床以上)に設置されるちゅう房施設、洗浄施設及び入浴施設、一般廃棄物処理施設である焼却施設が新たに特定施設として追加された。
 また、規制対象となっていない業種について、昭和54年度においては、農産保有食料品製造業、調味料製造業及び精穀、製粉業の排水の実態調査を行った。
 更に、昭和54年6月24日からは従来いわゆる暫定基準の適用を受けてきた冷凍水産物製造業、ばれいしょ粉製造業、冷凍すり身製造業及び生すり身製造業並びにマンガン鉱業については一律基準に移行した。
(3) 未規制項目の調査
 「水質汚濁防止法」で規制対象となっていない未規制項目について、排水水質等の実態をは握するため、引き続き54年度においても、タングステン、ヨウ素及び硫酸イオンの排水実態調査を実施した。
 また、温排水の規制については、50年12月に中央公害対策審議会水質部会温排水分科会で取りまとめられた「温排水問題に関する中間報告」を踏まえて温排水の環境容量を算定するための基礎調査及び温排水を水中放流する場合の拡散予測手法の確立調査を実施した。

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