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第3節 

2 化学物質環境安全性調査

 環境庁では従来の調査を踏まえ、54年度から新たに化学物質環境安全性総点検体系の基づき、化学物質関係の調査を計画的、効率的に実施することとしている。具体的には、次のとおりである。
(1) 二万余といわれる既存化学物質の中から有害性の観点から選択された約8,500品目の化学物質をもとに、更に、生産量、用途等を考慮して約2,500点の化学物質をリストアップし、プライオリティリストとして整備した。このリストの中から、約200物質を選び実験室内分解テストを行い環境調査を行うべき難分解性化学物質の抽出を行う。
(2) 環境中に残留している化学物質を検索するため、環境試料についてガスクロマトグラフー質量分析計を使った調査を実施する。特に、54年度からは、大気中残留化学物質の検索に重点を置くこととしている。
(3) 上記(1)及び(2)の結果並びに通商産業省で行う生物分解度及び生物濃縮度試験の結果を総合して対象物質を選定して環境調査を実施する。
(4) 従来の環境調査の結果、その環境残留性の疑われる物質について精密環境調査を実施する。
(5) 従来の精密環境調査で確認された環境残留性化学物質については、更に自然生態系の生物にどのような影響を与えるかの試験を行う。
(6) このような手順で確認された要注意化学物質は、その環境汚染の長期的な推移を観察するための生物指標環境汚染モニタリングの対象物質に追加する。
(7) プライオリティリスト品目について順次、性状及び毒性情報の整備を行う。
(8) OECD化学品テストプログラムにおいて進行している化学物質安全性テスト手法の整備と呼応し、我が国に適した試験技術の開発改良研究を推進する。
(9) 近年国際的に問題となっているクロロフロロカーボンについて環境化学的研究を推進する。

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