5 道路構造の改善及び沿道環境の整備
自動車騒音に対する道路の面からの対策として、従来から沿道の土地利用状況等を考慮して、遮音壁、環境施設帯の設置、良好な路面の保全等が推進されている。また、高速自動車国道等の周辺における住宅のうち、騒音による影響の著しいものについて、緊急的措置として防音工事の費用の助成等の措置を講じており、53年度末までに、約5,500戸について対策がとられている。
更に、幹線道路の周辺地域における生活環境の整備を促進するため、沿道環境整備要綱を定め、4車線以上の幹線道路周辺の主として住居系の地域であって、住宅等の立地状況等を勘案して良好な住環境を保全する必要のある沿道地域において、道路の夜間の自動車騒音の値が要請限度を超える等の場合、市町村が作成する沿道環境整備計画に適合した次のような事業について、その費用の一部を道路管理者が負担する等の措置を講じている。
? 背後地に対して遮音効果を有する建築物の建築
? 自動車交通の騒音を遮断する機能をもった環境施設帯・公園等の緩衝緑地の整備
また、53年5月に閣議決定された第8次道路整備五箇年計画においては、生活環境の改善を道路の整備の重点施策の一つとして推進することとし、その中で既設道路における緑化・環境対策として延長約2,000km、事業費約2,800億円を計上しているほか、道路の新設及び改築に当たっての緑化・環境対策を合わせて延長約7,100km、事業費約6,900億円を計上するなど、沿道の環境保全対策の促進を積極的に図ることとしている。
基本的には、沿道の土地利用の適正化を図るための対策等が必要であり、また、道路の種別、交通の質等を勘案し、道路を機能別に分類し、それぞれに適した環境対策を実施することが必要である。建設省においては、以上の施策の一層の充実を図るとともに、併せて、沿道土地利用の適正化を図るため、新たな総合的な法制度についても検討を行っている。