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第1節 

1 快適な環境を求める動き

 近年、各地で美しく住みよい町づくり、村づくりへの関心が高まっている。
 その担い手は、地方公共団体、地域住民が主体となっているものが多く、活動の対象も河川の浄化・清掃、町並みの保全、道路・広場等の緑化、郷土の森や林の整備など、多くの分野にわたっている。これらは、いずれも身の回りや生活環境がうるおいのある快適なものであって欲しいという地域の人々の願いを表しているといえよう。
 一方、政府は、昭和52年に第三次全国総合開発計画を策定し、その中で、「国民生活におけるうるおいの回復と安全、安定の確保とを図るための国土の保全と利用が国土総合開発計画の基本的課題となっている。」と述べ、主要な計画課題として、自然環境の保全、歴史的環境の保全、水系の総合的管理などを掲げている。
 また、OECD(経済協力開発機構)環境委員会は、52年度に日本の環境政策について次のような評価を行っている。
 「今後は、日本の政策が汚染の防止のみならず、より広く一般的な福祉の向上、合理的な土地利用、自然及び文化的遺産の保護をも対象とした広範囲な基礎をもつ環境政策へと進展していくことが期待される。」
 このように、生活環境にうるおいや美しさを確保していこうとする動きは、国、地方を通じて次第に大きなものになろうとしている。

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