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第3節 

1 化学物質の審査及び製造等の規制等

 「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律」に基づき、難分解性等の性状を有し、かつ、人の健康を損なうおそれのある化学物質による環境の汚染を防止するため、新規の化学物質の製造又は輸入に際し、事前に化学物質がこれらの性状を有するかどうかを審査するとともに、これらの性状を有する化学物質の製造、輸入、使用等について必要な規制を行っている。
 既存化学物質についても安全性の総点検を行う必要があるため、通商産業省においては52年度に引き続き財団法人化学品検査協会化学品安全センターに既存化学物質の点検として上記点検の一環として、約100の物質について微生物による分解度試験を、約60の物質について魚介類による濃縮度試験を実施させることとしている。また、嫌気性微生物による分解性試験法、揮発性物質等の分析法及び非水溶性物質の魚介類による濃縮性試験法の委託開発も継続して進めることとしている。特に、構造の複雑な物質等においても検出の容易な放射性物質を用いて、分解性及び濃縮性を判定するための試験法を検討することとしている。更に、これまでの新規化学物質の判定及び既存化学物質の点検結果を基礎とし、新たな安全性に関する知見を迅速かつ効率的に活用できるようにするため、内外の情報収集を継続することとしている。
 国連、OECD等の国際機関及び他国政府との交流についても規制実務面ばかりでなく、化学物質の特性は握、系統的選別に関する手法開拓等の技術的な基礎事項に関しても国際的な調整を図るべく検討が進められることとなっており、我が国の実績が十分に活用されることが期待される。

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