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第1節 

1 悪臭の現況

 悪臭はきゅう覚という人の感覚に直接知覚されるものであって、多くの地域で、社会問題となっており、その苦情件数は、例年騒音・振動に次いで多数を占めている(第1-2図)。
 環境庁において、各都道府県、指定都市に依頼して行った悪臭に係る苦情・陳情の件数調査(昭和51年度)の結果を見ると、15,996件となっており前年度との比較では11.9%の減少となっている。業種別では、畜産農業が29.9%で最も多く、次いでサービス業・その他が17.8%となっている。
 地方自治体が受理した苦情・陳情を東京都及び9指定都市と46道府県とに分けて集計し、業種ごとの割合を全国集計分と比較して、苦情・陳情の発生傾向を見たのが、第5-1-1図である。東京都及び指定都市においては、畜産に係る苦情が少なく、一般機械器具製造工場、塗装工場等のその他の製造工場及びサービス業・その他に分類される業種の占める割合が大きくなっており、都市における悪臭発生源の多様化が推測される。
 悪臭の原因となる物質については、業種、事業の規模、作業方式等により種々異なるが、現在政令で定められている8つの悪臭物質とこれを排出する主要な発生源事業場は第5-1-2表のとおりである。

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