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第2節 

1 健康影響に関する調査研究

(1) 環境汚染健康影響基礎調査(有害物質健康影響調査)
 この調査は地域住民の血液の中の有害金属等の含有量調査を行い、有害金属等環境汚染物質による健康影響の評価の基礎的資料を得ようとするもので、3地区について調査を行う予定である。
(2) 生物指標環境汚染測定調査
 陸上及び水域のいくつかの地点をポイントとして野生生物を採取し、生体内の汚染物質の状態を長期年月にわたり継続観察するため、昭和52年度においては準備調査を行うこととしている。
 なお、本調査は51年11月に開催されたOECD環境政策レビュー東京会合において提起された早期警報システム(EWS)計画の一環ともなるものである。
(3) カドミウム汚染地域健康影響実態調査
 カドミウム汚染地域における腎尿細管機能障害の実態を非汚染地域の実態と併せては握するため、汚染、非汚染両地域を対象として、カドミウム汚染による健康影響の実態調査を行うこととしている。
(4) 国際協力による環境保健判定条件策定調査
 世界保健機構(WHO)の環境保健判定条件策定計画(エンバイロンメンタルヘルスクライテリアプログラム)の協力の一環として逐次汚染物質を選定し、我が国の当該汚染物質に係る健康影響に関する研究成果等を調査しようとするものである。
(5) 健康被害調査研究
 公害防止対策を樹立するための基礎資料を得るため、試験研究機関及び民間団体等に委託して水質の汚濁、大気の汚染及び重金属等の影響による疾病並びにこれら環境汚染の人体に及ぼす影響について調査研究を実施するものであり、水俣病、イタイイタイ病及び慢性カドミウム中毒、大気系疾病、難分解物質及び重金属の人体影響並びに化学物質の分解、蓄積等に関して必要な研究を行うこととしている。

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