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第2節 

3 騒音、振動、悪臭等に関する研究

(1) 騒音・振動
ア 騒音防止技術の開発については、通商産業省において、固体障壁による防音囲からの音の放射特性及び指向性を調べて、その最適防音条件を検討するとともに、ウォーターウォールの種類や組合せ等によるしや音効果、空気噴流の流速や方向を利用したしゃ音方法などを検討した、また、低騒音プレスの開発をめざして、材料や加工条件の変化によるプレス各部の騒音発生源を解析し騒音低域の基礎データを得るとともに、防振合金を用いた金型による騒音低減について検討した。更に、化学技術庁においては、航空機用ジェットエンジンの低騒音化のため、立体化等により更に高性能化した吸音パネルを製作し、その騒音低減効果を解析した。また、不等ピッチファンを試作し、ファンの低騒音化について検討した。
イ 騒音の人体影響については、通商産業省において、コンピュータによる迅速な心理計測法を開発するため、多数の被験者による定量的な“うるささ”評価の実施を行うとともに、騒音の生理的心理計測について、断続音の性質と生理、心理的反応との関係を調べ、評価の方法を検討した。
ウ 騒音、振動の計測技術については、通商産業省において交通騒音、建設騒音等についてのデジタル方式の騒音計測の必要性に答えるため、マイクロホン増幅部、A・D変換部、計算処理部等の特性を測定し、パイロットモデルシステム設計の資料を得るための研究に着手した。また、公害用振動計の校正のため、校正用振動台を改良試作するとともに、電気的方法による振幅測定系の改善整備、横感度測定装置の整備などを行い、測定精度を向上させた。
エ 振動防止技術の開発については、通商産業省において、防振溝による振動伝播のしや断効果を実験したほか、防振壁や柱列の配置及び形状による振動しゃ断効果を模型及び野外実験で明らかにした。
(2) 悪臭
 悪臭防止技術の開発については、通商産業省において、トルエン、キシレン等の悪臭ガスを触媒燃焼により除去する装置の開発をめざして、助触媒の添加効果の検討、酸化効果が高く、低温活性をもつ触媒の探索に着手した。

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