4 自然保護のための民有地買上げ
我が国の自然公園制度は土地の所有権にかかわりなく公園として指定し、公用制限を課すことになっているので、私権との調整上自然保護の徹底が期し得ないうらみがある。このため47年度から、国立公園内の特別保護地区及び第1種特別地域(地種区分のされていない特別地域にあっては、第1種特別地域以上に相当する価値があるものとして取り扱われてきたことが明らかな地域を含む。)の区域内にある民有地であって、私権との調整上、買上げにより公的に保護しなけば保護の徹底が図れない土地を対象として、都道府県の発行する交付公債により土地を買い上げる制度を設け、その償還元金及び償還利息等に要する費用について国が都道府県に補助することになった。その後50年度から国定公園内の特別保護地区及び第1種特別地域内の民有地を、更に、51年度から自然公園におけると同様の観点に立って「鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律」に基づく国設鳥獣保護区の特別保護地区内の民有地をそれぞれ買上げの対象地に加えた。これまでの実績は第6-3-3表のとおりである。