前のページ 次のページ

第2節 

1 水道原水の汚濁

 公共用水域における水質の汚濁は、河川、湖沼等に水源を求める水道にも少なからぬ影響を与えており、良質な水道原水を求めることが近年ますます困難になりつつある。このため浄水技術の高度化、浄水施設の改善等に努めているが、水源の富栄養化によるソウ類等の以上発生に起因する異臭味水の問題等、通常の浄水技術では対処が困難な問題が増えており、なかには水源や取水地点の変更を強いられる場合もあり、水道事業者にとって、管理運営上の大きな負担となっている。
 また、水質汚濁事故により、取水源において、汚濁物質が一時的に増加する場合には、単に取水の制限、停止にとどまらず、給水停止に至るなど、水道の利用者である住民の日常生活に影響を及ぼすこともある。
 水質汚濁事故の原因には、廃油・廃油処理水、家庭下水・し尿処理水、家畜し尿、廃棄物の不法投棄等があり、これらによる被害件数は、昭和49年には84件に上っている。

前のページ 次のページ