前のページ 次のページ

第2節 

4 環境保全施設の整備状況

 良好な環境を保全していくためには、汚染発生源に対して、規制を強化すると同時に、下水道等の環境保全施設の整備を図ることが必要である。都市の規模別に、下水道、し尿処理施設及びごみ処理施設の整備状況を見ると、第2-19表のとおりであって、人口の集中度が高い市町村ほど整備が進んでいる。
 このうち、公共下水道事業の実施状況を市町村の規模別に見ると(第2-20表)、人口10万人以上の175都市のうち166都市において公共下水道事業を実施しており、このうち134都市において下水処理が行われている。
 都道府県別に下水道普及率(50年度末)を見ると、東京都52.6%、大阪府51.3%、兵庫県37.5%、京都府32.8%、愛知県32.6%の順となっている(全国平均22.8%)が、人口集中地区(DID)人口の割合と下水道普及率との相関は、それほど高くない(第2-21図)。
 例えば大阪市と東京都区部の人口集中地区人口の割合はほぼ同じであるが、大阪市の下水道普及率は95%であるのに対して東京都区部では62%となっている。
 また、その他の8大都市の人口集中地区人口の割合は90%前後になっているが、普及率の方は神戸市79%、名古屋市72%から、急激な人口増加が進んだために普及率の低い横浜市29%、川崎市28%まで大きな差異がある。
 以上見てきたように、地方公共団体の環境保全対策においては、その地域の自然的社会的条件の特性に応じたきめの細かい行政が展開されている。しかしながら、依然として大都市地域を中心にして汚染濃度が高くなっており、地方公共団体が今後とも更にきめの細かい対策を推進することが望まれる。

前のページ 次のページ