2 悪臭防止対策
(1) 規制地域の指定と規制基準
「悪臭防止法」では規制地域の指定、規制基準の設定は、各都道府県知事に委任されているが、地域の指定は51年3月末現在、奈良県、大分県、沖縄県を除く44都道府県9指定都市で行われ、市町村数では、435市449町72村23特別区となっており、全市町村特別区数の30%に達している。まだ規制地域の指定を行っていない県においても逐次作業が進められている。
また、都道府県知事は、同法第8条の規定により、規制地域内に悪臭発生事業場を設置する者に対して、悪臭防止措置を講ずるよう改善勧告及び改善命令を発することができるが、環境庁に50年度中に報告のあった件数は、改善勧告が2件、改善命令が1件である。業種別に見ると、改善勧告はセロファン製造業、クラフトパルプ工場の各1件ずつで、改善命令は化製場となっているが、多くの場合、改善勧告に至る前の行政指導の段階で改善効果を上げるべく、地方自治体担当者の努力が続けられている。
(2) 悪臭物質測定体制
環境庁において都道府県を通じて、規制地域の指定を行っている市町村を対象としたアンケート調査を行ったところ、50年3月31日現在アンケートに回答のあった774市町村特別区のうち、常時測定体制「有」と回答したものは、全国平均で26%、人口10万人以上の市については40%、10万人未満の市町村では32%であった。また、悪臭測定業務遂行上、最も問題となるものは何かとの設問から「測定機器の未整備」と「測定技術者の確保及び技術の習得」が常時測定体制で確立する上での大きな課題となっていることが明らかになった。