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第2節 

2 健康影響に関する調査研究

(1) 健康被害診断基準の設定
 各種汚染物質の健康影響について調査し、その診断基準を設定するため、50年度はセレンについて調査を実施する予定である。
(2) 環境汚染健康影響基礎調査(有害物質健康影響調査)
 この調査は、地域住民の尿、毛髪、血液等のなかの有害金属等の含有量調査を行い、有害金属等環境汚染物質による健康影響の評価の基礎的資料を得ようとするもので、50年度は茨城県、大阪府、兵庫県において調査を行う予定である。
(3) 生物汚染監視測定調査
 この調査は生物を指標とした有害物質の汚染監視網を将来において設定するための基礎的調査であり、各種生物中の有害物質の分析を行うこととしており、50年度は次の2調査を実施する予定である。
ア 有害物質環境汚染調査(生物汚染)
 この調査は生物を指標としてPCB、水銀、カドミウム等の環境調査を行うものである。
イ 国際協力による野生生物中の有機塩素化合物等調査
 この調査は国際協力の一環としてOECD環境委員会化学品セクターグループにより策定された「野生生物のサンプリング及び分析計画」を実施するものであり、淡・海水魚、野鳥、水質、底質を採取して、農薬、重金属等の分析を行うこととしている。
(4) 健康被害調査に対する助成
 公害による健康影響問題が発生した場合、又は発生が予想される場合に都道府県が住民に対して行う健康調査を助成するため、都道府県に対して補助を行うこととしている。
(5) その他
ア 健康被害調査研究
 水俣病、イタイイタイ病、大気系疾病、難分解物質及び重金属の人体影響並びに化学物質の分解、蓄積等に関して必要な研究を行うこととしている。
イ 公害医療研究助成
 公害病についての治療法等を確立するために主として臨床的研究、疫学的研究に対し、研究者に対する補助を実施することとしているが、特に50年度においては、水俣病の医療研究の推進を図るため公害医療研究費の増額を図ったところである。

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