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第1節 

1 公害紛争処理制度の充実強化

 昭和49年度においては「公害紛争処理法」の一部改正が行われ、公害紛争処理制度が充実強化された。その主なものは、次のとおりである。
(1) 和解の仲介をあっせんに改め、公害審査会等のみならず中央委員会においてもあっせんを行うことができることとした。
(2) 被害の程度が著しく、その範囲が広い公害に係る民事上の紛争が生じ、これを放置するときは多数の被害者の困窮等社会的に重大な影響があると認められるときは、中央委員会又は公害審査会は職権であっせんに乗り出すことができることとした。
(3) 職権であっせんを開始した場合において、あっせんによっては当該紛争を解決することが困難であり、かつ、相当と認めるときは、職権で、この紛争について、調停を行うことができることとした。
(4) 調停委員会、仲裁委員会又は裁定委員会は、仮の措置として、当事者に対し、調停等のために必要と認める措置を採るべきことを勧告することができることとした。
(5) 中央委員会又は公害審査会等は、各々が行った調停、仲裁又は責任裁定で定められた義務の履行に関し、義務者に対し、必要な勧告をすることができることとした。
(6) 調停案の公表の制度を設けた。

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