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第3節 

2 自然公園の指定、公園計画の見直し

(1) 国立・国定公園の指定、区域拡張
 我が国の自然公園体系は、昭和6年に「国立公園法」が制定され、32年に「自然公園法」に改組されることによって確立された。現在では多数の自然公園が指定され、国土の自然保護に資し、また、野外レクリエーションの場として主要な役割を果たしている。
 しかし、最近における自然破壊や環境汚染の現状に対処し、また、積極的に自然に親しむ機運の高まりに対処するため、我が国の自然公園の拡大と内容の充実を図る必要があるとして、自然公園審議会(現自然環境保全審議会)は、46年11月「国立公園の体系整備について」、同年12月「国定公園候補地の選定について」答申を行った。
 これらの答申に基づき、49年度には、国立公園では利尻礼文サロベツ国立公園を、国定公園では津軽国定公園を指定した。これによって、我が国の自然公園体系は、27の国立公園(2,013,184ha、国土面積の5.33%)、50の国定公園(1,127,059ha、国土面積の2.99%)、290の都道府県立自然公園(2,014,392ha、国土面積の5.34%)となり、その総面積は5,154,635ha、国土面積の13.7%を占めることとなっている。
(2) 海中公園地区の指定
 海中公園制度は、海中の景観を維持するため、環境庁長官が国立公園及び国定公園の海面内に海中公園地区を指定し、必要な規制を行うとともに、その適正な利用を図るものである。
 45年7月に、吉野熊野国立公園串本海中公園地区等10か所が最初の海中公園地区に指定されて以来48年度末までに計39か所が指定された。
 49年度には、49年6月南房総国定公園に勝浦海中公園地区を指定した。
 これにより、49年度末までに指定された海中公園地区は、国立公園には19か所、国定公園には21か所、合計40か所1,707,7haとなっている。
(3) 公園計画の見直し
 国立公園を取り巻く社会条件の変化に伴い、現公園計画が対応できない状況にあるため、48年度から自然保護の強化を基調として、公園計画の再検討を行い、所要の改定を行う作業を進めているが、49年度には次の公園につき再検討を開始した。
 阿  寒(北海道)
 秩父多摩(東京、埼玉、山梨)
 伊勢志摩(三重)
 大山隠岐(鳥取、岡山、島根)
 霧島屋久(宮崎、鹿児島)
 また、国定公園については、国立公園の再検討に準じて実施することとし、各都道府県に依頼し、作業を進めている。
 なお、都道府県立自然公園は、都道府県の条例により逐次指定されてきたが、公園計画が定められていない公園が多かったので、公園計画を定めるよう指導を行った。

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