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第4節 

2 悪臭防止対策

(1) 悪臭防止法の施工状況
 悪臭防止法は、工場その他の事業場における事業活動に伴って発生する悪臭物質の排出を規制することにより、生活環境を保全し、国民の健康の保護に資することを目的として制定(47年5月31日施工)されたものであるが、49年2月現在、30都府県、8指定都市において、規制地域の指定、規制基準の設定が行われている。
(2) 悪臭物質の追加
 現在、悪臭公害の主要な原因となっている物質で、かつ、当該物質の大気中の濃度を測定し得る物質として、アンモニア、メチルメルカプタン、硫化水素、硫化メチル、トリメチルアミンの5物質を「悪臭物質」として政令で指定している。これらの物質以外にも悪臭の原因となっている物質があり、窒素化合物、いおう化合物、アルデヒド類、脂肪酸類等で政令で指定されていない物質についても追加指定して、対象事業場を拡大し、規制の強化を図るため、現在測定方法の研究、物質のにおいの強度に関する研究等を進めている。
(3) 悪臭測定体制の整備
 悪臭物質として政令で指定された物質の測定方法については、ガスクロマトグラフ等の分析機器を使用して測定することとされているが(環境庁告示)、都道府県等における悪臭測定体制の整備を図るべく、地方自治体の公害研究機関を対象として、悪臭測定装置の設置について助成を行った。
(4) その他の悪臭防止対策事業
ア 畜産農業における悪臭防止対策
 畜産経営に起因する悪臭公害等の環境汚染を防止するため、市街地及びその近郊に散在する畜産経営の周辺への移転等を図る畜産団地造成事業、畜産経営環境整備事業等の環境保全事業を実施するとともに家畜ふん尿の迅速かつ適切な処理を行う悪臭防止推進対策事業を実施した。また、48年度から家畜排せつ物の処理技術の開発についても研究を行っている。
イ 公共用水域における悪臭防止対策
 河川、港湾等の公共用水域に堆積した汚でいをしゅんせつして、水質汚濁源の減少を図るとともにあわせて悪臭を除去することを目的として、汚でいしゅんせつ事業を実施した。48年度は神田川(東京)、鶴見川(神奈川)、田子の浦港(静岡)、北九州港(福岡)等について実施した。

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