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第3節 

4 2国間における協力体制の推進

 環境問題における2国間協力としては、従来より日米間に、日米天然資源開発利用計画(UJNR)に基づき、大気汚染、水質汚濁、国立公園管理、森林管理、海洋気象、海洋調査、都市、住宅等の分野において研究開発を中心とした協力が行なわれてきた。1970年10月東京で行なわれた「第1回公害に関する日米会議」の結果、以後日米間に環境問題に関する閣僚レベルの定期的会合を設けることが決まり、昨年6月、ワシントンにおいて「第2回公害に関する日米会議」が開催された。わが国から山中公害担当国務大臣が出席し、環境保護に関する法制の整備および行政活動、公害規制の経済的側面、環境問題に関する国際協力、両国間における環境基準および排水基準、研究開発および環境監視に関する協力等が主要議題として討議された。この日米会議の下部会合として第1回日米下水道処理技術委員会が昨年10月東京で開催され、下水の高度処理、家庭排水と工場排水の合併処理等について活発な討議が行なわれた。この委員会は今後も定期的に開催される予定である。
 また本年3月、カナダ科学技術調査団が来日し、各専門分野に分れ、わが国の実情調査をしたが、環境問題についても活発な意見の交換がなされ、今後、日・加両国における協力体制の推進が確認された。その他、ポーランド、フィリピン、イギリス等の環境問題調査団を受入れ、わが国の制度、実情、研究成果を紹介した。
 公害問題とならんで環境問題のもう一本の柱である自然保護についてみると、本年3月日米渡り鳥条約が調印されたのをはじめ、本年1月第2回日ソ定期協議の際に来日したグロムイコ外務大臣に、大石環境庁長官から日ソ間における渡り鳥の保護について、政府間取決めを行ないたい旨の申入れがなされ、その検討が約されている。将来における渡り鳥の保護についてその他関係諸国との間においても渡り鳥保護条約の締結が期待されているところである。

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