前のページ 次のページ

第6節 

4 公害による健康影響の調査研究

 環境庁においては、大気汚染、水質汚濁、重金属汚染等の人体におよぼす影響等について、科学的な調査研究を推進するため、地方公共団体、試験研究機関、大学その他に委託または補助し、「ばい煙等影響調査」、「人体における一般金属含有の測定に関する研究」、「水銀による環境汚染調査」、「水俣湾周辺住民の健康に関する調査研究」、「四日市公害患者の医療管理方式の確立に関する研究」等33課題についての調査研究を進めた。これらのうち、「イタイイタイ病およびカドミウム中毒症の鑑別診断研究」においては、カドミウム環境汚染要観察地域の住民の健康調査を行ない、概ね慢性カドミウム中毒による障害(腎障害、イ病の骨所見)はないとの結論を得た。
 また水俣病についても前記3のイにおいて述べたとおり、この補助金により関係県において健康調査を実施している。
 さらに最近にわかに社会問題となってきたPCB等の難分解性物質についても、その環境汚染に及ぼす重要性に着目し、環境、ことに水の汚染および生物体内蓄積に関して基礎的な研究を行なっている。
 なお、46年度における予算は第3-5-2表のとおりである。

前のページ 次のページ