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第3節 

3 光化学反応による大気汚染対策の方向

 光化学反応による大気汚染の基本的な対策の方向としては、まず現在、未解明で残されている発生機序、人の健康に及ぼす影響等の分野における調査研究の推進が重要であり、これにあわせて発生源における排出規制の強化、各関連物質に係る環境基準の設定、大気汚染測定網の整備等を強力に推進することが必要となる。
 このため、今後、とくに次のような調査、研究を推進し、光化学反応による大気汚染対策の確立を急ぐこととしている。
(1) 光化学反応による大気汚染の測定技術の開発研究、動植物への影響の研究等を引続き行なうほか、新たに気象条件からくる発生機序に関係する研究も加わえ、総合的な研究を進める。
(2) 光化学反応による大気汚染の実態解明のため、47年度の夏期・冬期において発生機序、人の健康に及ぼす影響、発生源からの排出量等の調査を総合的に実施する。
 発生機序解明のための調査としては、46年度に製作した移動用スモッグチャンバーを光化学反応の生じやすい地点に移動させ、現地の大気を用いた光化学反応の現地調査によって光化学反応による大気汚染のメカニズムを解明していくとともに、東京湾臨海地域における地上および低層大気の環境濃度および気象条件について広域的および高濃度発生地域にしぼつた局地的な調査を行う。
 また、時期をあわせて健康への影響調査を実施するとともに、発生源からの光化学反応による大気汚染の要因物質の排出量を調査する。

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