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第4節 測定方法の標準化、測定機器の開発等

(1) 測定方法の標準化
 すべての公害対策は、環境汚染状況の的確な把握に基づいてなされなければならない。また、昭和45年12月に行なわれた大気汚染防止法の改正によって排出基準違反に直罰が課せられることになったことに伴い、ばい煙発生施設の排出口等における汚染物質の測定について従来以上に正確性が要求されるに至っている。したがって、測定法によってあるいは測定者によって、同一の環境について著しく異った測定結果が生ずることは問題であり、これを避けるためには、各種汚染物質に関し、測定法の標準化を図る必要がある。
 このため、環境庁においては、昭和47年度から、監視測定が必要な各種大気関係汚染物質について試料の採取、前処理、分析、測定計算方式等に関し、具体的な基準の確立の作業を開始することとしている。
(2) 測定機器の開発
 公害測定機器の製造業は、ここ数年の間に急速に発展したもので、比較的歴史が浅く、産業として基盤が未だ十分に確立していないので、ひきつづき、次のような公害測定機器産業振興策を講ずることとしている。
? (イ)開発のための融資、補助金制度の適用
  (ロ)公害計測技術の研究の強化、日本工業規格(JIS)の拡大
? 公害測定機器の技術水準の向上、低廉な製品の供給を図るため、「特定電子工業及び特定機械工業振興臨時措置法」上の試験研究業種、合理化業種に指定し、同法に基づく高度化計画を策定することにより、それぞれの業種ごとの、具体的な高度化の推進
(3) 信頼性の確保
 公害規制の強化に伴い、公害測定機器の信頼性の増進は、緊要な課題となっているので、計量行政審議会答申「公害計測用機器等の性能の確保に係る制度に関する検討等について」(昭和46年11月)に基づき検査制度の整備、JISの拡大等検討を進めることとしている。
(4) 振動公害については、現在のところ振動の振幅、速度、加速度等とまちまちな方法で測定を行なっており、振動公害の統一的規制をするにあたって測定方法等が確立されていないことが問題点の一つとされている。そのため、振動公害の測定単位として、騒音レベルのように、振動の周波数の変動に伴う人体感覚を考慮した単位を確立するとともに測定機器および測定方法を早期に定めることとしている。

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