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第2節 

3 海洋汚染

 海洋保安庁は、頻発する海洋汚染に対して、従来から積極的に監視取締りにあたっているが、昭和47年度においても、本庁に試験研究センターを、第七管区海上保安本部(北九州市)に海上公害完成センターを監視するほか、主要な海上保安部署に監視取締り要員を増員する等、組織、人員の強化を図るとともに、巡視船艇、ヘリコプターの整備、油排出夜間監視装置等、監視取締り用器材の整備を行なうなどにより、海洋汚染の監視と、昭和47年度6月に全面施行される海洋汚染防止法、水質汚濁防止法等の海上公害関係法令違反の取締りを強力に推進することとしている。
 このほか、海上保安庁は、昭和47年度から新たに規制の対象となる廃棄物排出船の登録に関する業務を処理するために、必要な体制を整備することとしている。
 また、海洋汚染の防止および海洋環境保全のための科学的調査を昭和47年度以降計画的に実施することとしており、昭和47年度においては、定期的に日本周辺海域の18測点について油の調査を、日本南方海域の三定線おいてCODの調査を行なうほか、産業廃棄物等の投棄海域の汚染監視に必要な調査を実施するため、その調査方法、調査機器の開発等の検討を進めるとともに、汚染物質の海水中の挙動について調査研究を実施することとしている。
 なお、気象庁では、海洋の全般的汚染状況(バックグランドの汚染)を調査するため、日本周辺ならびに西太平洋海域において代表的な定線を設け、海洋汚染に関連の深い水色、透明度、濁度、水中照度、PH等の性状ならびにアンモニア、リン、炭酸ガス、クロロフイル量、COD、貴金属類等の汚染物質について、定期的かつ広域的な調査を行なうこととしている。

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