1 科学技術庁
科学技術庁では、環境科学技術の一環として、昭和45年度に引き続き公害防止技術を関係行政機関の試験研究費等の見積り方針の調整等を通じて重点的に推進するとともに、特別研究促進調整費をもって、その統合的な研究の推進を図ることとしている。
46年度には、特別研究促進調整費による総合研究として、「都市騒音防止に関する総合研究」を前年度に引き続き推進するとともに、新たに環境変化と生態遺伝学的影響の関連および微量有害物質の輪廻に関する研究、各種汚染物質に対する海洋の環境受容能力等を究明する研究、大気の複合汚染現象の解明、人体等への影響、レーザー・レーダーによる大気汚染物質の計測の実用化等に関する研究をそれぞれ関係各省庁の協力のもとに推進することを予定している。
科学技術庁の付属研究機関等における調査研究としては、航空宇宙技術研究所において航空機騒音防止のための「ジェットエンジンの低騒音化の研究」を、資源調査会および資源調査所において人為環境と自然環境のバランスのとれた都市環境の保全に資する「都市環境保全のための基本的方向に関する調査」および環境破壊の原因と資源利用との関係を解明する「環境保全からみた資源の循環過程に関する調査」等を実施することとしている。また、特殊法人理化学研究所において「公害を起さない新農薬の創製開発」を引き続き実施することとしているが、一般研究のほか、とくに細胞壁合成阻害剤およびアミノ酸系農薬を取り上げ、その実用化研究を進めることとしている。さらに、日本科学技術情報センターでは、昨今の公害問題の進展に伴い、その公害情報に関する要求に応ずるため「環境公害文献集」を発行する計画である。