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第3節 低いおう化対策の推進

 政府は昭和44年12月の総合エネルギー調査会の報告の線に沿って、燃料の低いおう化対策を強力に推進しているが、当面、46年度においては、以下の施策を重点的に推進することとしている。
(1) 重油脱硫
 重油脱硫については、外国からの技術導入により、すでに重油脱硫装置の建設および運転が行なわれている。しかし、これらの装置の建設には、多額の設備資金を要し、運転経費も高いので、これらの負担を軽減することにより、重油脱硫のいっそうの推進を図ることとしている。すなわち、45年7月より重油脱硫を実施する企業に対しては、原油関税から脱硫重油1klあたり300円に相当する額を軽減していたが、46年11月からはこれを1klあたり500円に引き上げることとしている。また、重油脱硫装置の建設にあたっては、日本開発銀行からの融資を行なっているが、46年度においても引き続きこれを実施する。さらに、重油脱硫装置については特別償却および固定資産税の軽減からなる税制上の優遇措置を講じている。なお、国の大型プロジエクト制度による流動床方式の直接脱硫技術に関する研究開発については、44年度にテストプラント(500バーレル/日)の建設に着手し、45年11月12日その運転研究に入っているが、46年度には完了する予定である。
(2) 排煙脱硫
 排煙脱硫装置については、特別償却および非課税措置の制度が適用されているが、国の大型プロジエクト制度による研究成果に基づき、45年度には、実用規模に近い排煙脱硫装置の建設に着手しており、これについて日本開発銀行の国産技術振興資金からの融資が開始されている。
(3) 低いおう原油の輸入
 低いおう原油については、その輸入比率は年々増加してはいるものの、世界的な需要の増大のため、低いおう原油の確保は次第に困難になりつつある。このため昭和46年11月から低いおう原油(いおう含有率1.0%以下)については、現行の1klあたり640円の関税率を530円に改め、その輸入の促進を図ることとしている。
(4) 地域冷暖房
 地域冷暖房については、大気汚染の防止に貢献することをも考慮して、日本開発銀行および北海道東北開発公庫の融資対策としている。

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