前のページ 次のページ

第2節 

2 公害関係試験研究に関する総合調整

 公害に関係する試験研究は、広範な分野にわたっているため、前述の国立公害研究所だけでは、十分な研究を尽すことができない。現在、公害問題に直接・間接に関係する研究を行なっている国立試験研究機関は、約30にものぼっているが、いずれも当該研究所の本来の一般研究課題とともに関連して研究することによりはじめて成果をあげうるものが多く、これらの試験研究機関から公害関係だけを切り離すことは事実上不可能である。そこで、各種対策技術の研究や技術開発等各省庁の試験研究機関の機能の活用に適したものについては、各省庁の試験研究機関にその研究の実施をゆだねることとしている。
 しかし、これらの試験研究については、環境庁は、所要の関係予算を同庁に一括計上し、これを各省庁の試験研究機関に配分する過程を通じて研究の総合的、一体的な実施を図るなど強力な総合調整権限を持つこととした。これは、さきの国立公害研究所の設置とあいまって、公害研究体制の整備を図ろうとするものである。

前のページ 次のページ