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第1節 

4 公害対策予算

 45年度の地方公共団体の公害対策費は、当初予算で都道府県208億円、指定都市37億円、その他の市町村75億円、総計320億円で44年度の決算額約226億円と比べると94億円の増加となっている(第3-16-4表参照)。
 (注) 当初予算は直接的な公害対策費だけを計上したものであり、公共下水道事業等の事業費は計上していない。
 内訳別で大幅な増加をみせたのは、公害防止施設整備に対する貸付金(40億円増)、公害監視測定体制整備費(17億円増)である。
 地方公共団体の公害防止対策費としては、公害行政体制の充実、公害の監視測定体制の整備および中小企業対策が大きな額となっている。
 当初予算の費目別の内訳は次のとおりである。
(1) 一般経費
 人件費では、都道府県16億円、指定都市3億円、その他の市町村13億円となっている。


(2) 公害規制および調査研究費
 都道府県37億円、市町村19億円、合計56億円となっている。
(3) 公害防止事業費
 大気汚染関係では、都道府県19億円、市町村6億円、計25億円、水質汚濁関係では、都道府県22億円、市町村16億円、計38億円が計上されている。
 大気汚染および水質汚濁の公害防除事業費は、都道府県41億円、市町村22億円となっており、これらの公害防止対策に占める都道府県の比重はかなり高い。
 一方、騒音・振動関係では、都道府県6億円、市町村12億円、合計18億円、悪臭関係では、都道府県4,000万円、市町村8,000万円、合計1億2,000万円が計上されている。
 これらの公害については、大気汚染や水質汚濁とは異なり、局地的な公害に対する市町村の役割が予算上に反映されている(なお、基地公害にかかる公害防止対策事業費は除く。)。
 また、産業廃棄物については、これらの燃焼、投棄による2次公害の問題から、その対策が早急に求められているが、都道府県8,000万円、市町村1,000万円、合計9,000万円の予算が計上されている。
(4) 公害防止施設に対する助成
ア 融資
 44年度の地方公共団体の公害防除施設に対する融資実績は、貸付件数1,390件、融資総額40億8,500万円であった。
 公害防除施設に対する融資制度として、中小企業近代化資金、中小企業高度化資金を利用して融資を行なっている都道府県は、27都道府県であり、また、45年7月現在、37都道府県、6指定都市、42市、計85地方公共団体が独自の融資制度を設けている。
イ 利子補給等
 公害防止施設に対する助成は、主として融資制度と一体的に貸付利率の一定割合を利子補給する方式で行なわれているが、なかには、公害防止施設整備費の一定割合を補助する方式、融資にかかる信用保証料を補助する方式等がある。
 44年度の助成実績は、24都府県、4指定都市、38市町村、計66地方公共団体で、助成件数は2,693件、助成金額は3億3,900万円であった。
 なお、45年度の当初予算では、44年度の予算3億9,000万円に比べて7億3,000万円と約2倍近い助成額が計上されている。

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