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第2節 

7 建設省

 建設省においては、建築研究所および土木研究所において研究が進められている。
 前者では、建物の騒音防止、公害防止の観点からみた都市計画について、後者では、下水処理法、河川の水質汚濁および交通公害について、それぞれ基礎的な研究が行なわれている。
 なお、45年度における研究テーマは次の通りである。
(1) 建築研究所
イ 杭打ち振動公害の基準作成の研究
ロ 建築物の騒音防止設計
ハ 都市騒音防止に関する総合研究(建築形体及びその配置並びに地形の利用による騒音制御の研究)
(2) 土木研究所
イ 下水の2次処理水質の向上に関する研究
ロ 再ばっきに関する研究
ハ 下水処理施設設計の合理化に関する調査
ニ 河川水の酸素平衡に関する調査
ホ 河川水質の調査解析に関する調査
ヘ 交通公害に関する試験調査
 下水処理については、公共用水域の水質汚濁防止と水資源の有効利用のために、現在の処理システムの中での処理効率の改善、処理水質の安全性の確保に主点をおき、下水処理施設の設計、維持管理等についての基礎研究のほか実際施設を利用しての調査研究を行なってきた。とくに下水処理場流入下水の水質が生活程度の向上、工業生産量の急増から悪化の傾向を示していることから、それに対応できる下水処理技術の確立を目的として研究を実施している。
 水質汚濁については、河川、湖沼、海域における水質の汚濁予測技術を確立するため、再ばっ気現象、自浄作用、混合現象、底泥の酸素消費と硫化水素の発生機構、汚濁計算法についての調査研究を行なってきた。さらに合理的、経済的な水質監視技術の開発が河川管理の面から重要視されているのにかんがみ、水質の自動監視装置等各種機器の開発および市販機器の適用性についての研究を合わせて実施している。
 交通公害に関する試験調査としては、土木研究所に本年度より発足した交通安全研究室に無響音実験室を設け、道路における自動車騒音に関する実態とその原因およびこれに対する効果的な対策についての実験と研究を行なっている。
 このほか、道路騒音と道路構造に関する研究および建築形態および配置による騒音の伝播制御ならびに遮へいに関する研究を行なっている。

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