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第3節 建設騒音対策

 騒音規制法により建設工事として行なわれる作業のうち、騒音の程度の高いくい打機、くい抜機、びょう打機、さく岩機、空気圧縮機、コンクリートプラントおよびアスファルトプラントを使用する作業が「特定建設作業」として政令で指定されている。建設業者がこれらの特定建設作業を指定区域内で行なう場合の届出の義務づけ(その建設工事の元請人が届出なければならない。)、日曜日および夜間帯の作業の禁止等特定建設作業に伴って発生する騒音の規制が行なわれている。
 昭和44年1月騒音規制法の施行にあたって、法の適正な施行を図るため、必要細部の措置について各都道府県知事に通達を行ない、都道府県および関係市町村に対し指導を行なうとともに、主要工事発注者および建設業者に対し、工事の発注または工事の施工に際し、騒音、振動を含めた公衆災害防止のための必要な措置を講ずるよう指導要請した。
 建設工事の施工に伴う騒音公害を低減するためには、低騒音の工法および建設機械の開発・普及が最も効果的な対策と考えられる。現実に都市等の大規模な建設工事においては必要に迫られて、低騒音、低振動工法の採用が進んでいる。たとえば、くい基礎工事においては、従来の既成ぐいの打撃工法に代わって、場所打ちくいまたは低騒音くい打ち工法の採用、リベット打ち作業はハイテンションボルト締め工法の採用、あるいはできるだけ工場でリベット打ち作業を行ない、現場でのリベット打ち作業を少なくするなどの工法の普及がみられる。
 46年度においては、主要都市における建設工事現場の騒音および振動の実態調査、現状の建設機械の消(減)音対策および現状の機械に代わる騒音の低い代替機械開発のための調査試験の実施を予定している。また、無騒音、低騒音機械等の普及を図るため、税制上の優遇措置としてコンクリートおよびアスファルトプラントのしゃ音へいが租税特別措置法第11条および第14条に規定する特別償却の対象設備に指定されているが、46年度税制改正においては、アスファルトプラントのしゃ音カバーを特別償却対象設備に追加することが内定している。
 なお、今後も無騒音、無振動機械設備等を銀行の融資対象とすることなどにより新技術の開発、機械類の改良の推進を図る必要がある。

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