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第5節 

3 その他

(1) 農業用水汚濁調査
ア 農業用水の汚濁による農業被害を防止するため、被害の増加している水域について被害状況、現況の水質汚濁源等の調査を行なった(45年度は九頭竜川等10水域)。このほか、44年度には水質汚濁による農業被害の概況調査を全国にわたって実施したが、45年度においては、その結果に基づき、被害農地に対する被害防止対策を検討するため、必要な調査を実施している。
イ 都市汚水等に起因して農業用水が汚濁している地域を対象にし45年度から新たにかんがい排水施設の新設または改修およびこれとあわせて行なう客土等を内容とする水質障害対策事業(4地区)を実施している。
(2) 畜産公害対策
 公共用水域の水質の保全に関する法律の一部改正により、新たに豚および鶏の飼養施設からの汚水の排出についても規制の対象にしうることになったことにかんがみ、これら施設からの汚水排出の実態をは握し、規制対象の決定、水質基準の作成等に資するため、新たに都道府県に委託して、畜舎汚水排出実態調査(対象27都道府県)を実施した。
 なお、43、44年度に設置された家畜ふん尿処理実験施設においては、府県により実用化のための実験調査が継続されている。
 また、45年度においては、新たに市街地およびその近郊の畜産経営を適地に集団移転させ、これら畜産経営の合理化と飼養規模の拡大の促進を図り、あわせて畜産経営に起因する環境汚染の防止に資するため、畜産団地造成事業を全国25か所で実施するとともに、また、経営移転による適地での生産性の高い畜産経営の育成とあわせて環境汚染の防止に資するため、農林漁業金融公庫を通ずる資金融通のみち(45年度主務大臣指定施設資金、融資枠7億円)を開き、金融面からも畜産経営の移転を助成することとした。
(3) 漁業環境保全のための基礎調査の実施
 水質汚濁による水産資源ならびに漁業荒廃の実態を正確には握し、環境保全に関する基礎資料の整備を図るため、43年度から全国漁場環境保全基礎調査を実施している。45年度は、引き続き内水面16水域、沿岸18水域について調査を実施した。
(4) 漁場公害総点検の実施
 漁業上重要であり現に公害による漁業被害が発生しあるいは発生するおそれのある水域を対象として、今後の公害対策の基礎資料を得るため、45年度に全国の227水域(北海道関係庁所管分22水域を含む。)についていっせい調査を実施した。
(5) 保護水面の指定および管理
 漁業上重要な水域における水産資源の保護培養を図るため、増殖施設の設置、採掘の制限、禁止等の保護水面の管理について助成している。45年度は、新たに4水域を追加指定し、合計45水域とした。
(6) 漁場水質汚濁監視測定体制の整備
 水質汚濁による漁業被害を未然に防止するため、全国的な水質監視体制の整備を図ることとし、43年度から都道府県が行なう水質監視事業に必要な観測機器の導入に対し助成を行なっている。45年度は、沿岸水域の船舶による水質自動観測施設(7水域)、内水面の水質自動観測施設(7水域)および微量重金属等の特殊物質が問題となる水域について、特殊物質の自動観測施設(3水域)の設置について助成した。
(7) 農林関係工場の排水に関する実態調査
 農林関係工場の排水の実態をは握するため、43年度から業種別にその実態調査を実施しており、45年度は、でん粉製造業等8業種について原料処理量、排水水質、排水処理施設等を調査した。

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