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第2節 

4 下水道の普及

 昭和42年度を初年度とする第2次下水道整備5箇年計画は、44年2月に閣議決定され、42年度以降の5箇年間に総額9,300億円(うち予備費300億円)を投資することとしていたが、このうち45年度までに6,178億円を実施し、45年度末における進捗率は、68.6%となっている(第3-5-6表参照)。
 45年度は第2次下水道整備5箇年計画の第4年次にあたり、総事業費1,916億円(国費485億円)で事業を実施した。
 まず公共下水道については、総事業費1,640億円(国費366億円)をもって、東京、大阪、横浜、名古屋等の大都市をはじめとして全国251都市について事業を進めており、市街地人口10万人以上の78都市については、すべて公共下水道事業を実施中である。
 45年度末の全国下水道排水人口普及率は34.7%排水面積普及率は22.8%となっている(第3-5-7表参照)。
 流域下水道については、総事業費165億円(国費72億円)をもって、寝屋川流域下水道ほか11か所において事業を実施した。このうち猪名川左右岸および安威川の各流域下水道では、すでに原田処理場および中央処理場について一部運転を開始しており、当該河川の水質汚濁防止に寄与している。
 45年度に新たに着手した流域下水道は、大和川上流、大和川下流および淀川右岸の3か所である。大和川上流流域下水道(奈良県)は、大和平野が急激な宅地開発によって人口が激増し、大和川各支川の汚濁が非常に進行して、BODが50ppm以上に達している所もあり、本川も王寺町付近(大阪府境)で16ppmになっている。このため、下流部の大阪府と歩調を合わせ、奈良県内において大和川に流入する奈良市、天理市、大和郡山市等すべての汚水を集め処理することを目途とし、大和川の水質保全および地区内の環境整備に寄与するものである。
 大和川下流流域下水道(大阪府)は、大和川に注ぐ西除川東除川等支川の汚濁が著しいためで、とくに西除川はBODが100ppmにもなっており、この支川あるいは本川にはいる大阪市、堺市、富田林市、松原市等の汚水を集めて、処理するものである。
 淀川右岸流域下水道(大阪府)は、淀川の水質保全が上流の京都府において発生する汚水対策のほかこの流域における芥川、檜尾川等支川の水質保全を図る必要があるために、高槻市、茨木市等の汚水を集めて処理するものである(第3-5-8表参照)。
 特定公共下水道については、総事業費約21億円(国費約5億円)をもって9か所で事業を実施した(第3-5-9表参照)。
 45年度に新規に着手したのは、飯坂(長野県駒ヶ根市)と臨海工業地帯(鹿児島市)の2か所であり、これらの特定公共下水道は、先行的に廃水処理を建設しようとするものである。
 45年度における調査は、下水道事業を円滑に進めるために必要な次のテーマについて実施した。
(1) 下水処理施設設計の合理化に関する調査


(2) 下水汚でいの処理処分に関する調査
(3) 矢作川・境川流域下水道基本計画策定のための調査
(4) 荒川右岸流域下水道基本計画策定のための調査
(5) 馬込川流域下水道基本計画策定のための調査
(6) 東京湾汚濁防止計画策定のための調査

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