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第2節 

1 計画の概要

 計画は、地域の範囲、計画の目標、地域の概況、汚染負荷量および汚染状況、公害の防止に関する施策(都市施設等の整備を含む)、監視測定体制、公害防止施策を講ずるために要する経費の概要、協力体制の確保、既存の諸計画との関係等の項目から成り立っているが、その要点は次のとおりである。
(1) 地域の範囲
 千葉・市原地域:千葉市、市原市および君津郡袖ヶ浦町のうち別に指定された区域
 四日市地域:四日市市、三重県楠町、同郡朝日町および同郡川越町の区域
 水島地域:倉敷市の区域
(2) 計画の目標
 昭和50年までに、汚染物の程度を第3-3-1表に示すような目標値の範囲内に引き下げ、またはその範囲内に維持することを目標としている。このように具体的に数値をもって明示される目標を、定められた年次までに達成することとしている点が公害防止計画の大きな特色である。この目標値は、公害対策基本法に基づく環境基準を建前としているが、浮遊ふんじん、騒音のように環境基準が未設定のものについては、公害防止計画独自の目標値を設定することとし、今後それらについての環境基準が設定された場合には、その時点から目標値を環境基準の値に変更することとしている。また悪臭、地盤沈下についても、それぞれ目標を設定している。


(3) 地域の概況
 3地域とも、海岸線埋立地等を中心にして、石油精製、石油化学、電力等を基幹とする大規模コンビナートの形成が進み、これに伴う人口集中も大きく、大気の汚染、水質の汚濁、その他の公害問題の対策強化が緊要な地域である。3地域の人口、工業出荷額は第3-3-2表のとおりである。


(4) 汚染負荷量および汚染状況
 各地域の汚染状況は、第3-3-3表のとおりである(代表的な地点のみを示す)。


(5) 公害の防止に関する施策
 公害の防止に関する施策としては、従来から公害防止対策の根幹とされていた発生源対策だけでなく、土地利用や立地の規制、公害防止事業等の各種防止対策を総合的な見地から合理的に組み合わせ、全体として最良の結果をもたらすよう配慮されている。なお、公害防止対策だけでなく、その他の都市施設の整備をも計画に取り込んで、総合的な計画の性格を強く出してある。対策の概要は、第3-3-4表のとおりである。


(6) 監視測定体制
 公害の状況を正確には握し、その動向に即応した適正な公害防止対策の策定実施に資するため、公害の発生源、汚染状況、汚染に関係のある気象その他の事象、地下水の水位および地盤高について有効かつ適切な監視測定体制を確立する必要がある。3地域とも大気汚染監視テレメーター整備、特殊有害物質の監視測定、地盤沈下観測、水質汚濁調査、騒音測定等を計画に掲げている。
(7) 公害防止対策を講ずるために要する経費の概要
 この公害防止計画に基づいて、46年度から50年度までの5年間に必要な経費はおおむね第3-3-5表の額程度と見込まれる。


(8) 既存の諸計画との関係
 公害防止計画においては当該地域の開発、環境の整備に係る既存の諸計画、たとえば首都圏整備計画、中部圏開発整備計画、新産業都市建設計画、県の長期計画、県の総合5か年計画との整合性について十分配慮されている。なお公害防止計画は既存の諸計画において公害防止の配慮が十分でないと認められる場合には、これら諸計画の改正を行ない、全体として調和のとれたものとすることになっている。

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