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第4節 

1 浮遊ふんじん

 浮遊ふんじんの影響については、昭和43年1月のいおう酸化物に係る環境基準専門委員会の報告書においてもすでに指摘されており、早急に環境基準の設定が望まれていた。そこで厚生省は、45年1月20日、生活環境審議会公害部会に浮遊ふんじんに係る環境基準専門委員会を発足させた。専門委員会は、当面浮遊ふんじんのもつ物理的性状に着目して、環境基準設定に必要な人体影響の調査、環境汚染の実態調査、測定方法の標準化等の検討を行なうとともに、前後10回委員会を開催して浮遊ふんじんによる影響汚染を判断するための基準値と測定方法をまとめ、45年12月25日公害部会に報告した。その結論は、粒径10μ以下の浮遊粒子状物質(いわゆる浮遊ふんじん)量が空気1m
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当たり常に次の両条件が満足されなければならないとしている。
(1) 連続する24時間の平均1時間値が100μg以下
(2) 1時間値200μg以下
 公害部会は、この専門委員会の報告を受けて部会に政策小委員会を設け、環境基準維持達成のための方途を検討することになった。
 なお、浮遊ふんじん環境基準専門委員会は引続いて浮遊ふんじん中に含まれるマンガン、クロムなどの金属成分についての環境基準を検討することにしている。

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