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第3節 

2 財政投融資

 一方、財政投融資についても、45年度投書計画額1,142億円と44年度と比べ大幅な増加を図ったことは前に述べたとおりである。
(1) 公害防止の責任は、まずもってその発生源たる企業にあり、企業は、公害防止施設を設置整備する義務がある。しかし、この種の施設は、その性質上当面直接的には企業利潤に貢献しないところから、その設置、整備を促進するためには財政投融資計画等に基づく政策金融によって、インセンティブを与える必要がある。この種の財政投融資としては、公害防止事業団、日本開発銀行、中小企業金融公庫、農林漁業金融公庫等がその中心をなしており、45年度は総額303億円と44年度の210億円に比べ93億円(44.3%)の増加である。
(2) 財政投融資としては、(1)のほか公害防止事業にかかる地方債があり、これは下水道事業、一般単独事業(公害監視施設測定器材等)等、地方公共団体が推進する公害防止事業の経費をまかなうものとして重要な意味をもつものである。この種の地方債計画額は、45年度839億円と44年度の696億円に比べ143億円(20.5%)の増加となっている。
(3) なお、以上の公害対策関係予算等のほか、公害関連事業として新潟地方の地盤沈下によって機能の低下した農業用施設の復旧事業、地盤沈下地域の高潮対策事業および工業用水道の建設事業に必要な経費として、66億6,700万円(44年度76億5,200万円)が計上された。
 以上が45年度公害対策関係予算および財政投融資計画の概要であるが、このほか45年度予算および財政投融資計画の実行に当たっては緊急公害対策関係費15億5,500万円の予算措置および公害防止事業団への100億円の財投追加が講ぜられており、前者の予算措置は経済企画庁等に計上してある調整費よりの充当、既定経費内の優先充当によるもので次のような内容となっている。
 汚染状況等の総点検 2億円 研究の推進 8,700万円
 分析測定機器の整備 1億2,500万円 公害対策事業
 (下水道、緩衝緑地) 11億4,300万円
 計 15億5,500万円

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