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第4節 

3 財産被害

 大気汚染による財産上の被害としては、日常の家庭生活においては、洗濯物やトタン屋根等の被害が一般的であり、このほか、金属製品の腐蝕、繊維や皮製品のぜい弱化、各種建造物外壁ペンキ塗装の変質、建物自体の耐用年数の縮減等、各種の被害が知られているが、とくに大気汚染物質中の有害物質は、農林資源について大きな被害を生じさせている。これらの被害は、通常、短期間ではさほどのものではないが、長期間を経るに従い、その被害現象が目にみえて認められてくる。このため、現在までのところ、とくに大気汚染によるわが国全体の財産被害に伴う損失額を調査した事例はなく、今後、これに関する調査方法を確立することにより、その実体調査が望まれている。

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