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第1節 

3 中小企業の公害対策

 公害防止の徹底のためには、取締りの強化も必要であるが、事業者の責務の一層の自覚が必要である。しかしながら、中小企業の場合には、公害発生源としての認識が不十分なものもあり、また、公害防止のための努力をしようとしても、技術的あるいは資金的能力が乏しいため、十分な公害防止対策を講じえない現状である。
 このため、45年度から新たに、日本商工会議所および東京商工会議所等13の商工会議所に「産業公害相談室」を設け、中小企業者に対して産業公害問題に対する認識を深めさせ、公害防止対策の実施に当たっての問題について、親身になって相談に応じる体制を整備することとした。この産業公害相談室の行なう事業は、窓口相談事業、現地技術相談事業、講習会の開催、懇談会の開催、調査、広報事業等である。
 また、前述したように45年度から新たに、(1)中小企業金融公庫の融資対象に騒音防止施設、公害発生地域からの個別工場の移転を加える。(2)国民金融公庫に公害防止施設に対する特別融資制度を創設する。(3)金融債引受けによる公害防止機器のリース制度を創設する。(4)公害防止事業団および中小企業振興事業団の一層の活用を図る等、金融上の助成措置の拡充強化を図ることとしている。

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